狭い土地で大勢の人を養わざるを得なかったアジア諸国では、古来稲作を中心とした集約農業に依存し、あらゆるものをリサイクルして肥料とする技術が進歩しました。
ほんの半世紀ほど前まで、し尿や家畜排泄物、落ち葉、青草、ゴミなどの廃棄物も肥料として余すところなく使われていました。
もみがらくん炭や木灰などの炭化物も土壌改良資材として、また保肥材として貴重な農業資材だったのです。
だけど、土と作物を同時に育てる伝統的な技術は、20世紀になって化学的業が普及するにつれて、徐々に忘れ去られてきているよね。
それに、山林から得られていたエネルギー源の薪炭もすっかり化石燃料に変わったし。
日本の自然も大きくその姿を変えてきたし。
森林の荒廃も進んでいるし。
化石燃料は言うまでもなく、地球が3億年以上の永きにわたって封じ込めてきた炭素の塊です。
それを人類は300年にも満たない間に使い尽くそうとしているのです。
知っての通り、人類の生産活動から発生する温室効果ガス排出量は京都議定書を始め、度重なる申し合わせにもかかわらず増え続けています。
国際的にも削減努力が叫ばれているね。
その効果は一向に上がっていないようだよ。
温暖化による気候変動は現実のものとなってきたと誰もが実感してると思う!
温暖化の影響は海洋にも及んでいるわ。
異常気象で自然災害の頻度があがっているし。
人口の増加につれて農業生産が危ぶまれているわ。
世界中で森林の衰退や消失が進んでいるニュースをよく聞くようになったし。
食糧・エネルギーの確保と陸域と水域にわたる自然環境の変化!!
こんなに深刻になるなんて、誰も予測できなかったよね!!
前回のブログでは「リジェネラティブ」という言葉について触れたのは覚えているかな。
「リジェネラティブ」とは、英語で「再生(更生)させる」ことを意味する言葉です。
「リジェネラティブ農業」は、微生物や虫をはじめとした生態系を取り戻して自然環境を改善し、私たち人間も無理なく持続できる農業として注目を集めているんだよ。
「リジェネラティブ農業」には以下のようなことが期待されています。
土壌の健康状態の改善にフォーカスし、栽培地周辺の生物多様性を促進する。
できるだけ農薬や肥料を使用せず、土壌の健康状態を維持・改善する。
日本でも従来から行われてきた伝統農法(輪作・混作)の技術を活用する。
地域住民やコミュニティの活性化を促進する。
この話は次回に続きます。