尚絅学院大学の学生が身近な「食と油」について動画を作って発表しました。
私たちの暮らしに欠かせない「油」が地球上でどのような問題を抱えているのか、一緒に考えてみましょう。
日本で作られているインスタントラーメンは、59億7523万食です。
この中でカップラーメンの占める割合は66.2%。
これは1人の日本人が一年間に食べる量に換算すると47.9食になります。
ところでカップラーメンを作るのに油をどれぐらい使っているか知っていますか。
なんと1つのカップラーメン15ミリリットルの油が使われています。
現在SDGsに関する問題としてパーム油が挙げられます。
パーム油とは世界で最も使われている植物油で、食品や洗剤やシャンプーにも使用されています。
パーム油の原料の栽培は赤道周辺の熱帯に限られ、今ではインドネシアとマレーシアを中心に栽培されています。
世界では毎年約70,000,000トンのパーム油が生産されています。
人々の生活を支えるパーム油はさらに欠かせない油になっていくでしょう。
こちらの写真はスマトラ島の森林破壊をわかりやすく見せているものです。
1985年には58%あった緑の範囲がパーム油の影響で2016年には24%まで減少してしまっているのがわかります。
スマトラ島は日本よりも1.25倍大きな島ですが30年前と比べると森の半分以上が減少しており、平地の森はほぼなくなってしまっています。
しかしその生産に伴う開発が東南アジアの熱帯雨林破壊をもたらす原因として指摘されてきました。
熱帯雨林破壊だけでなく野生動物への影響、児童労働などの劣悪な労働環境、火災や開発に伴う火災や人権侵害等の問題は、パーム油が生産に関わる問題は深刻なものばかりです。
ですがパーム油の利用を避けることで問題が解決されないどころか、さらなる森林破壊を引き起こす可能性があります。
人間にとって油は生活必需品。
パーム油を世の中から排除したとしたらパーム油を使うメーカーは代替油脂を使うことになるでしょう。
その場合現在のパーム油よりももっと広い土地が必要となるのです。
例えばすべての植物油を大豆からとるとすると、ブラジルの国土面積と同じ位の広さの大豆畑が必要となり、パーム油生産の10倍ほど土地面積が必要となります。
日本の会社の取り組みの例として日清食品は承認パーム油の使用を開始をしました
承認パーム油は森林破壊防止や生物多様性保全、人権に配慮されて生産加工されたパーム油でRSPOと言う国際組織がその使用を促進しています。
そこで私たちが取り組むべき事はRSPO承認を取得したパーム油を使った製品をスーパーなどで選ぶことです。
すぐには無理かもしれませんが、マークを見つけて買ってみませんか。