意外と知られていない化学繊維が今回のテーマです。
今自分が着ている服は何でできているのかな?って考えながら読んでみてください。
化学繊維は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維と、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルなど再生繊維に分けられます。
【天然繊維】は読んで字のごとく天然のもの ― 綿や麻、シルクやウールなどです。
【再生繊維】セルロースが植物性であることは僕も知ってる。
セルロースは「再生」繊維なんだよね。
化学的に溶かして繊維状に「再生」してから織ったり編んだりしているので「再生繊維」と呼ばれています。
「再生繊維」つまりセルロース繊維には、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセルがあります。
全ての化学繊維の中で一番初めに誕生したのが「レーヨン」です。
レーヨンの魅力は何と言ってもそのしなやかな光沢感でしょう。
私が今着ているブラウスのタグにはレーヨンと書いてあるわ。
レーヨンの歴史を振り返ると、19世紀後半に当時貴族階級など一部の人しか手に入れることのできない「絹」を何とか人工的に作ることは出来ないかと研究されていたんだって。
1884年にフランスで人工絹糸の発明に成功したことがレーヨンの始まりです!
その後、日本でも20世紀初めごろから開発されて、盛んに製造されるようになります。
帝人(帝国人造絹絲株式会社)や東レ(東邦レーヨン株式会社)、クラレ(倉敷レイヨン株式会社)など、今でも現役の大手企業ですよね。
レーヨンは「光る糸」という意味で、もともとは高価なシルクを人工的に似せて作った繊維です。
その特徴は、
・光沢がある
・染色性が高い
・ドレープ性が高い
・ひんやりとした涼感がある
などが挙げられますが、
弱点もあります。
・シワになりやすい
・摩擦に弱く、強く擦ると白化(表面の繊維がぼそぼそして白っぽく見える)することがある
・水に弱く、洗濯に失敗して極端に縮むことがある
・スチームアイロンも厳禁
などです。アイロンに失敗したことは何度かあるわ。涙
レーヨンから始まったセルロース繊維の開発は、この弱点を攻略することが課題でした。
水にも強く、摩擦にも強い再生繊維開発は、ポリノジックやキュプラ、リヨセルなどを生み出し、価格の手頃なものから高級品まで様々あります。
セルロース繊維はもともと植物性ですから、最終的に土に還ります。分解されて堆肥になるということです。
毎日着る服の素材について、もう少し気にしてみてもいいかもね。